片岡/美容製品においては、機能性とともにデザイン性も非常に重要な要素となります。理美容室において美容椅子や機器はもはやインテリアの一部です。中には海外の展示会に行かれるなど、海外の最新情報を収集している理美容師の方々もおられます。そのような方々の高いニーズにもお応えできるよう、トレンド情報にはアンテナを張り巡らせています。
中山/水回り製品に関しては、シャンプー時にいかに快適に過ごしてもらえるかを一番に考えて開発しています。特に、施術中にお客様が感じる首への負担や姿勢での違和感がないように工夫をしています。当社ではこれまで長年において蓄積した製品データやノウハウがあります。それらをベースにして快適性や品質に対する検証を厳しく行っています。
山本/私が担当しているエアウェーブは、傷まないパーマを簡単にできる機械を作れないかというのが開発の原点でした。まず研究でガラス化という発想を見つけ、それを機械化へと発展させました。商品化するまでの約3年間で紆余曲折がありましたが、軟化のチカラに頼るだけでなく、機械のチカラで傷まないパーマ・質感の良いカールを提供することを目標に、スタッフ一丸となって取り組みました。この商品は、タカラベルモントの総合力(薬剤・技術・機器)で開発した製品といえますね。
片岡/新製品は、まず私たちが企画をするところから始まります。アイディアから企画案を出し、製品として成立すると判断が出たらその後、開発に取り掛かります。私のアイディアの情報源はやはり現場(理美容サロン)です。お取り引きのサロン様だけでなく、自分で通うお店でも何気ない会話から様々な情報を得たりします。それと、家族や知人からの情報も大切です。エンドユーザーとして美容室で感じたことや機器の感想などを聞かせてもらったりしています。
山本/私も情報源は理美容室ですが、我々は開発だけではなく販売後のリサーチも行っています。使用されているサロン様からご意見をお伺いして検証し、次の商品開発に役立てています。さらに、技術に関わる製品が多いため、講習会や体験会を開き、販売後のサポートにも力を入れています。
「これ以上の製品はない」とサロンから
最高の褒め言葉
片岡/製品開発をしていて嬉しかったのは、やはりサロン様からの言葉です。購入されたサロンを訪れた時に、「もう、これ以上の製品はないと思いますよ!」と直接言っていただけた時は嬉しかったです。
中山/私は実家の母や祖母が行きつけの美容室に行った際に、私が担当したシャンプー機器を使い、気持ち良かったと報告を受けた時に嬉しさを感じました。当社の製品は全国のサロン様にご愛用いただいていますが、やはり家族からの知らせは格別でしたね。
山本/私も自分が担当した製品が「売れている」!という実感を味わった時に喜びを感じます。さらに、雑誌で記事が紹介されているの見ると本当に嬉しいですね。「エアウェーブをかけてよかった!」とか「炭酸泉で頭皮や髪がすっきりしました!」とかちょっとしたコメントがあるとテンションが上がります。でも、真摯なご意見もきちんとお伺いして次の製品開発につなげています。
片岡/仕事においては「想い以上のものは生まれない」という言葉を大切にしています。たとえうまくいかない面があったとしても、それ以上のエネルギーを費やせば必ず突破口が見つかると思います。我々は裏方的な仕事なので、いかにして技術者の方が気持ちよく作業ができるか、来店されたお客様が満足されるか、それらを叶えるために頑張っています。
中山/私の仕事でのこだわりは、女性ならではの視点を大切にして製品開発に取り組むということです。商品企画部には女性社員が増えていますが、もの作りに関して言えばまだまだ男性社員が多いのが現状です。私自身、提供する側でありながら、お客として美容室へ来店するので、美に関して女性としての視点を忘れずに取り組んでいます。
山本/私は最後までやり遂げることをモットーに商品開発をしています。お客様のためになることを徹底して追求しています。また、喜んでいただける確証がない限りは次のステップに進まない主義です。これからもサロン様の真摯なご意見を開発へ反映させていきたいと思います。