熱戦を繰り広げた4部門でゴールドプライズが決定!
1980年にスタートしたルベルコンテストが、「Dream」というタイトルを経て2017年に「I.D.」として生まれ変わり新たにスタート。2月21日(火)に東京国際フォーラムにおいて「I.D.2017〜identity ファイナル」が開催されました。この日は、全国9拠点と海外2拠点のエリアステージより選出されたファイナリストが集結。総勢123名の選手たちが白熱した戦いを展開しました。
配信日 2017.3.9
今大会より、昨年までグアムで行っていたワインディングアワードとウィービングアワードも、メンズデザインアワード・デザインアワードと同時にファイナルステージを開催。さらに、世界で活躍するファッションデザイナーが審査員として加わり、モデルを起用した部門ではファッション性も含めたトータルなデザイン力が問われました。大きな緊張感と熱気に包まれる中、4部門の競技が同時にスタート。
ワインディングアワードとウィービングアワードでは、テクニック・スピード・正確性はもちろん、仕上がりの美しさも審査の対象に。メンズデザインアワードとデザインアワードでは、ヘアデザインだけでなく、メイク・ファッション・モデルとの似合わせなどすべての感性が競われ、パーマとカラーを駆使した新鮮な作品が多数創作されました。
◆ ゴールドプライズ受賞者インタビュー
デザインアワード部門 ゴールドプライズ
藤本 真里さん(laji)
前日にカラーを10回やり直して優勝!
素敵なモデルさんと奇跡的に出会い、最初は切りたくないと言っていたのに、藤本さんが優勝するためなら何でもいいと言ってくれて…。彼女の顔のバランスや骨格を観察して、一番似合うデザインをデッサンしながら考えました。カラーはオレンジ系を入れましたが、細かい配合にこだわり、コンテスト前日に10回くらいカラーをやり直しました。その結果、ヌーディな雰囲気が出せたと思います。
奈良 裕也さん(SHIMA アートディレクター)
エリア予選から審査をさせていただき、全国大会が楽しみでした。ファイナルはエリア予選よりもレベルアップし、バラエティに富んだ作品がたくさんありとても見応えがありました。
砂原 由弥さん(UMiTOS 代表)
毎年、慎重に審査しています。以前、自分がコンテスターだった時期があり、それが今の美容師としての自分を作ったと思います。コンテストという人生でストイックな場面を経験しているみなさんはカッコいい!今日も感動しました。
小松 敦さん(HEAVENS 代表)
I.D.は数あるコンテストの中でも最もハードルの高いコンテストですが、逆にやりがいがあって自分を試せる場でもあります。SNSの高まりで似たような作品が多く見られる中、自分らしいオリジナルのデザインに命をかけている様子が分かり、これからの美容の未来に大きな可能性を感じました。
メンズデザインアワード部門 ゴールドプライズ
足立 祐介さん(CLEAR of hair)
終了5分前までこだわってカットしました
過去の大会の受賞作品を見て研究を重ね、今までにない作品を作ろうと意識しました。ポイントは、バックのボリュームの位置と、前髪からの延長線のボリュームの位置です。その高さにこだわり、バックから切り始め、終了5分前くらいでカットを終えました。メンズのコンテストに出場したのは初めてですが、これからももっと上を目指し、自分のスタイルをさらに貫けるように頑張りたいです。
加藤 孝子さん(ROOTS 代表)
Beforeの段階からカラー、パーマの落とし込みが素晴らしく、近年多く見られたツーブロックや刈上げ、マッシュだけではない、幅広いデザインが見られました。ファッション性も高まっていたと思いますが、もう少し抜け感や“はずし”に気付けたらよかったのではないかと思いました。
木下 裕章さん (KINOSHITA GAIEN EAST STREET 代表)
メンズスタイルは難しく、どれだけ足して、どれだけ引けばいいか、そのさじ加減が作品に影響します。しかし、焦っているデザイナーはいなく、みなさん非常に上手かったと思います。これからも人マネではない、アイデンティティを持って作品作りをしてください。
川口 りえさん(ホワイトハウス 芦屋店)
毎日、頑張って練習してよかったです
スタート直後は手が震えるほど緊張しましたが、徐々に自分のペースでできました。関西エリア予選が終わってから、ほぼ毎日1回は練習をして悪いポイントを自分で考えながら繰り返していたので、優勝を聞いた瞬間はホッとしました。今日の結果をお客様が喜んでくださると思うと、頑張ってきてよかったと思います。今後は、お店の後輩にも正しい技術や姿勢を伝えていきたいです。
堀内 孝章さん(TIF チーフカラリスト)
4年未満という経験年数の制限がある中でスキルの高い作品がたくさんあり、感動しました。カットやパーマも同じですが、ウィービングは施術中の“目線の位置”が大事。ぜひ明日から改善してください。また、昨今、ウィービングがおろそかになっていると少し感じているので、今後は技術を広めて後輩を育成してください。
ワインディング部門 ゴールドプライズ
天満 桃佳さん(KENJE FACE。大船)
指導してくれた人へ恩返しできました
関東エリア予選では単純なミスをして準優勝となり、悔しい思いをしました。私にワインディングを指導してくれた方がいて、全国大会で優勝することがその人への恩返しになると思い、苦手なゴムかけの特訓にも励んで頑張りました。会場入りの時はすごく緊張しましたが、競技中は周りの選手を見ないようにして、“いつも通り”と思って集中できたと思います。メンタルも強くなったなと感じました。
伊藤 嘉則さん(GLANZ 代表)
I.D.として初めての大会でしたが、みなさん本当に素晴らしい戦いぶりでした。入賞した方は今日の結果に対して自信を持って受け止め、惜しくも受賞されなかった方は全国大会に出場したことを胸に刻んでこれから頑張ってほしいと思います。
◆アワードセレモニー・表彰式
表彰式の前には、アワードセレモニーとしてモデルたちが場内を華麗にウォーキング。大勢のギャラリーたちが放つフラッシュの中、ファッションショーを思わせるような華やかでアクティブなシーンを展開し、初の「I.D. ファイナルステージ」を盛り上げました。
ファッションデザイナーが語るヘアとファッションのあり方とは
競技終了後、審査員を務めたファッションデザイナーの廣川玉枝氏と山縣良和氏によるトークステージが行われました。クリエーションにおけるヘアとファッションのあり方や、コンテストの率直な感想、来場者へのメッセージなど貴重なお話を聞くことができ、ヘアデザイナーにとって大いに参考になりました。
「ヘアコンテストの審査は初めてでしたが、短時間で作品を作り込んでいく姿勢をとても興味深く拝見しました。人、洋服、そこにヘアの要素が加わると、全体の美のエネルギーが高まると感じました。多様な表現が可能な時代の中、これが自分だ、ということを表現することが大事だと思います」(廣川氏)
「カットクロスを取った時、何かに導かれたようにいいと思うポイントが見えてきました。今日は物創りの感性を感じられて楽しかったです。ファッションで大事なのは、人の装いを考えること。すべてバランスで考え、引き算が鍵になります。自分が素の状態で物事を見て、素直に時代を感じることがヘアデザインの創造に役立つと思います」(山縣氏)
<ファッションデザイナーの紹介>
廣川玉枝 SOMA DESIGN
クリエイティブディレクター/ファッションデザイナー/アーティスト
http://www.somarta.jp/
山縣良和 writtenafterwards
ファッションデザイナー
http://www.writtenafterwards.com/
◆ Message from LebeL 〜 ルベルからのメッセージ 〜
多様性が加わり進化したコンテストへ
選手そしてモデルの皆様に対して、この半年以上もの間に多大なご苦労と努力を積み重ねられてファイナルに臨まれたことに心から感謝します。さらに、選手を支えてこられたサロンの皆様や大勢のギャラリーの方々にも感謝します。今大会からワインディングアワードとウィービングアワードを同時に開催したのは、選手以外の皆様とこの素晴らしい時間と空間を共有したいと考えたからです。今回、ワイズマンを導入して厳しいコンテストを目指したことで、選手の皆さんは普段のサロンワークと同じように真摯に向き合えたのではないでしょうか。さらに、ファッションデザイナーの方々に審査に加わっていただいたことで多様性が生まれ、Dream時代から進化したと思います。今後も素晴らしい理美容室づくり、輝けるお客様づくりを応援していきます。