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HOME > TBMG > TBCA優秀賞デザイナー×「商店建築」塩田編集長 座談会/「ルーミング」で選ばれるサロンへ

 

新型コロナウィルスの流行により、“新しい日常”を目指して社会は大きく動いています。サロンにおいては、お客様同士の距離や空間を分けるため「個室」「半個室」化に強い関心が広がっています。一方で、ただ単に「個室」「半個室」をするだけではうまくはいきません。そこで今、注目されているのが、「個室」「半個室」だからこそできる、居心地の良さと安心を提供する「ルーミング」という考え方です。今回は、「商店建築」塩田編集長をナビゲーターに迎え、TBCA(Takara Business Creation Awards※)の優秀賞受賞デザイナーによる座談会を行いました。新しいサロンの価値やスタッフの働き方まで変える「ルーミング」の考え方や、実際に「ルーミング」にフォーカスしたサロンについて語っていただきます。

※タカラスペースデザイン所属のデザイナーが直近1年に担当した中から、外部審査員により特に優れたデザインを選出する審査会

ライター 森永 泰恵 | カメラ 奥村 浩毅 | 配信日 2020.9.17


◆ 座談会メンバー紹介


タカラスペースデザイン株式会社
デザイナー/湯口 巌
主なフィールドは新規開業・小規模サロン。立地や物件の良さを引き出し、シンプルながらクオリティの高いデザイン、ハイグレードな空間を提案し続けている。

タカラスペースデザイン株式会社
デザイナー/小林 昌平
社内デザインコンペティション2年連続最優秀賞を受賞。サロンでの“特別な体験”を演出するデザインで多くのお客様から支持されている。
 
タカラスペースデザイン株式会社
デザイナー/土手下 修
居心地の良さ、使いやすさをモットーにホスピタリティの高いデザインが好評を得ている。
月刊「商店建築」編集長
ナビゲーター/塩田 健一

タカラスペースデザイン株式会社:https://www.takara-s-d.com/


コロナ禍をビジネスチャンスに。「ルーミング」に注目が集まっている


塩田編集長 まず初めにお聞きします。コロナ禍でサロンからの工事の依頼は減ってますか?飲食業界は厳しい状態が続いていますが、美容業界は意外とコロナ禍に強いのではないかと思うのですが、みなさんいかがですか。

小林 残念ながら、影響を受けておられるところも少なくありません。一方で、あまり影響がないと話されているところもあります。

土手下 そうですね、色々なケースがあります。僕の場合、支店出店や改装等によるリピートの依頼は増えています。

湯口 コロナ禍真っただ中の6月に逆に売上が上がったサロンもありますし、支店を出したいという話もありました。人が不安定になっている時代だからこそ、スタッフをしっかりサポートできる施策を打つことを考え、その延長線上に個室化を考えているオーナーさんもいます。

土手下 個室化の傾向が強いですよね。しっかりシミュレーションをした上での話ですが、個室と普通のサロンの両方運営されているオーナーさんは、全部個室化のほうに動き出している人が増えています。

塩田編集長 個室化すると席数が減る分、初期投資も下がるということでしょうか。

湯口 確かに席数が減る分、機器の投資額が下がります。とはいえ個室化にあたり色々なサブメニューにも対応できるようなハイスペックな機器を入れようとすると値段は上がりますが、個室化を単なる仕切りを作るというより、別のビジネスチャンスを見つけようという考え方の人が増えてきているのではないかと思います。

塩田編集長 個室は単に空間を区切るだけではなく、それに合わせたグレードの体験や居心地のよさを提供することであり、それも含めて“ルーミング”と呼ぶのですね。


コロナ禍で「ルーミング」への動きが加速している


塩田編集長 先ほど土手下さんは改装の依頼が増えていると言われていましたが。

土手下 そうですね。改装の場合、客単価を上げて席数を減らし、個室化する方向になってきています。また、2店舗目、3店舗目などの新しい案件も入ってきていますが、今後スタッフの人数が減るなど将来的なことを見据えて、個室・半個室を増やすことをオーナーさんに提案しています。

塩田編集長 席数のイメージは?

小林 従来ですと、たとえば25坪ならセット面が7席、シャンプー台が3台くらい。回転を求める所はそれにさらにフリースペースを設けていました。でも、最近手がけたサロンは同じくらいの大きさで、個室化して3席しかありません。その3席の中にシャンプーの機能も入れているので、3席+シャンプー台3台、という感覚です。それで1部屋あたり月に100万円超の売上があります。どういうメニューにするかも大事ですが、席数を減らしても売上が極端に下がらない工夫をして収支を合わせています。店販、ネイル、エステ、ヘッドスパなど、個室になると色々な展開ができるんです。

塩田編集長 個室でゆったりできるなら、色々なメニューをお願いしたくなりますよね。客単価も上がりますし。


小林 コロナ禍以前からサロン数は飽和状態にあるので(「ルーミング」と言う考え方を踏まえて)他店と差別化するために周りと違ったやり方で集客しましょうというのは、コロナ禍の前から提案していました。コロナ禍となった今、元々のその発想とマッチングさせて提案しているので、コロナ禍になってまったく違うことをやり始めた感覚はないです。今まで差別化としてやってきたことが、コロナ禍にマッチングしたということです。

塩田編集長 飲食店を取材していても、コロナ禍でガラッと何かが変わったというよりも、コロナ禍以前から進んでいたことが加速し、10年分の進化が1年で来た、という感覚です。

小林 そうですね。個室は周りの人と会わないという利点もあります。

土手下 遠くからわざわざ個室を求めて探して来る人も多いので、個室化によって商圏エリアが広がっています。


「ルーミング」はスタッフの労働環境を改善するためでもある


塩田編集長 個室は周りの人と会わないことが利点でもある?

小林 サロンはコンプレックスをご相談する場でもあるんです。ウィッグを提案したりとか。

塩田編集長 なるほど。サロンはこれからますます色々なことをコンサルティングしてもらう場になっていくんでしょうね。

小林 そうですね。以前はサロンはヘアデザインを買いに行く場でしたが、リラックスを、新しい体験を、ライフスタイルを求めに行く場と、どんどん重要な場所になってきていると感じます。長時間滞在することも増え、いかにお客様に居心地よく過ごしていただくかという側面からも、個室化、ルーミングという考え方に興味を持たれるオーナーが多いですね。また、個室化がスタッフのモチベーションを上げるということも聞きます。

塩田編集長 個室化はスタッフの方にとってもプラスに働いているんですね。


土手下 1人のお客様にじっくり話ができるとスタッフの仕事の充実感にもつながります。また、スタッフが産休になっても対応しやすいですし。

小林 単純に働きやすいというより、席数が減ることによって接しなければいけないお客様の数が減るので、その分、動き方も変わってきますし、意識的にも自分が主役になれるという感覚が得られると思うんです。あと部屋ごとに運営するので休みが取りやすくなり、完全週休二日制も可能です。新卒で採用するとなかなか教育の問題で完全個室化だと難しい面もあるとは思いますが、高単価にすることで収益が安定し、その分を還元できるサイクルが確立されれば、スタッフ待遇がよくなり、求人にもいい影響があるのかもしれません。

塩田編集長 この10年くらいでだいぶ変わったんですね。

小林 労働環境を良くしたいというのも個室化する大きな理由です。食事がちゃんと摂れるようスタッフルームを広くするケースも見られます。

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