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柏木ゆたかさん/rivage

ニューヨークでは独自のシステムを体感し、日本のサロンとの違いを実感した。さらに、自ら進んでアピールしなければステップアップができないことも学ぶ。そんな海外での経験を積んで帰国。渡米前に感じていた多くの顧客を持てる美容師になる事を目標に、人気サロンを経て独立の道を歩む。

ライター 前田正明 | カメラ 更科智子 | 配信日 2011.2.3

自分からアピールしないと次に進めない厳しさ

ニューヨークで仕事をしていて感じたことは、個人個人に対して非常にシビアだということ。つまり、日本では孤独だと感じながらも、誰かが手を差し伸べてくれたり助けてくれたりします。その部分の甘さを海外に行って実感しました。また、自分からアピールしないと次のステップには進めません。出来なくても「私はもう英語も話せるし、カットも上手いんだ!」と自己主張してスタイリストになりました(笑)。そうしないと生活できないのがニューヨークなのです。ニューヨークのサロンでは、2年ほど勤務し、ビザが切れる頃に帰国することを決めました。これ以上長く滞在するには、この先骨を埋める覚悟が必要だと思ったからです。それよりも、日本でまだまだやりたいことがたくさんありましたから。

多くの顧客を持てる美容師になる事という目標を叶える

帰国後は、多くの顧客を持つ美容師になりたいという渡米前の願望を叶えたいと思っていた為、早速1冊のヘアカタログを買い、その本に多くのスタイルが載っているサロンから履歴書を送りました。結果的に2店舗目のサロンで採用をしていただきました。そのサロンでは13年ほどお世話になり、技術だけではなくサロン経営の事なども含め、多くのことを学ぶことができましたが、結果的に自分の表現したい方向性とのずれが生じて退社させていただくこととなり、その後独立をしました。

スタッフには正直に接することを心がけている

当り前のことですが、独立後はゼロからのスタートだったので、かなり苦労しました。店舗もメインの通りから少し離れた場所だったので、お客様にはご足労をおかけすることになってしまいました。結果1期目は大変厳しい状況でしたが、2〜3期目と月日が経つ内に徐々に軌道に乗せることができました。私がスタッフ教育で心がけていることは、正直に彼らと接するということです。いい時も悪い時も隠さずにいることで、スタッフとの信頼関係を築けます。この会社は私のものではありません。スタッフとその家族とお客様のものだと考えています。rivageの全てを共有することが大切で、もしダメな時はみんなでどうすべきかを考えたいし、彼らもそのために頑張ってくれています。

rivage代表。東京都出身。東京マックス美容専門学校卒業。都内で数店舗を経て、2007年原宿にrivageをオープン。2010年表参道に拡張移転。「究極のナチュラル」をテーマにデザインを提案し続けている。現在、サロンワークを中心に一般女性誌、美容専門誌の撮影の他、美容学校やWebサイトのプロデュースも手掛ける。

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