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尾崎隆司さん/INSOLITE BEAUTE

淡路島から上京し、通信生として東京のサロンに勤める。モチベーションの高い仲間たちに刺激を受けて、わずか3時間の睡眠時間を苦にせずレッスンに励んだ新人時代。その後、実力が認められ6店舗の代表に抜擢される。そこで、スタッフ教育の難しさを痛感させられた。

ライター 前田正明 | カメラ 岡崎 累 | 配信日 2008.10.9

若い頃の夢は東京のサロンで働くこと

私の両親は、淡路島で理容室を経営しています。実は子供の頃は家業を継ごうとは考えていませんでした。ところが、高校1年の夏に大学進学をあきらめて、この世界に入ろうと思ったのが美容師になったきっかけです。最初は、進む道を理容か美容かで迷いましたが、学校の先生や周りの人から、美容の方が将来的に見通しが明るいだろうとアドバイスされて美容師を選びました。決意した頃から、将来は東京のサロンで働きたいという夢を持っていたので、美容学校は東京の学校と決めていました。だから、地元の関西の美容学校に入学するという考えはまったくなかったですね。上京後、松井東夫美容室(現テンハーフ)というサロンに入社し、学校は通信課程で学びました。淡路島の田舎から上京してきたので、東京という都会的な街の雰囲気に圧倒されて、ショックを受けたことを覚えています(笑)。

モチベーションの高い仲間に触発された

当時は寮生活で、上下関係はとても厳しかったです。しかも、寮に帰ってからもレッスンをしていたので、毎日が美容一色の生活でした。当初は、5年を目安に、実家に帰って家業を継ぐ予定でいました。両親からも、そんな約束で東京に出してもらいましたから。ところが、5年では全然形になっていませんでしたし、帰ることは忘れてしまっていました。実家からも帰ってこいの連絡もないし、帰省したのも数回でしたね。当時の思い出は、ルベルのワインディングコンテストに出場して関東大会で上位に入賞し、サイパンで行われた全国大会に出場したことですね。みんなでサイパンに行こうって頑張って、結局私一人だけが行けたんですが、サイパンに行けることが嬉しくて本選ではあまり成績がよくなかったです(笑)。その頃は、夜の3時までレッスンをして寮に帰り、朝は6時からまたレッスンをしていました。だから、『ピンクレディーより寝てないよな』って冗談を言ったりしていました(笑)。でも、それが苦にはならなかったですね。それくらい練習するのが当たり前という感覚でしたから。周りのスタッフたちも、天下を取ってやろうっていうくらいモチベーションが高かったので、そんな仲間に触発されて私も頑張りました。

スタッフを育てることの難しさを痛感する

結局テンハーフでは、約16年お世話になりました。最終的に私は代表としてサロンの運営やスタッフ教育などすべての面を任されました。その当時で一番勉強になったのは、やはり『人を育てる』ということです。そのような恵まれた環境の中で、色んな経験をさせていただいた事が私にとって大きな財産となりました。たくさんのことにトライさせていただき、また失敗も経験しました。中でも一番記憶に残っているのは、当時新店舗をオープンした際、アシスタントがオープン当日に置手紙をしてみんないなくなってしまいました。前日には盛大なオープニングパーティーをしたのに・・・。途方に暮れましたね。そんな時、バックルームにあった小さなホワイトボードに、一人のスタッフが「みんなで頑張ろー」と書いてくれました。勇気をもらいましたよ。トップの人間ってすごく孤独を感じると思うのですが、その言葉に「一人じゃないんだ」って励まされましたね。当時ヤクルトの監督だった野村克也氏が、「勇将の部下に弱兵なし」と言っていたのが心に浮かび、ホワイトボードのスタッフの言葉の下に書き足しました。そのホワイトボードは15年以上経った今でも消される事なくバックルームにかかっています。それと、一生懸命に指導したスタッフから、突然『辞めさせてください』と言われた時は、ショックを受けて落ち込みましたね。ところが、ある事がきっかけで、私が好きでやっている事なんだから、彼らから恩を返してもらわなくてもいいんだと考えられるようになってから何かが変わり始めました。それから、不思議なことにスタッフが辞めなくなったんです。多分、私の教え方に問題があったんでしょう。当時は、相当厳しく指導しましたから。それが彼らにとって、プレッシャーになったんだと思います。

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兵庫県出身。山野美容専門学校卒業。都内1店舗を経て、1997年東京・広尾にINSOLITEをオープン。2002年には同店を、アジアンリゾートをイメージしたトータルビューティサロン『INSOLITE BEAUTE』としてリニューアルオープン。 2006年6月に『g INSOLITE』を拡張オープン。より高い技術とホスピタリティで、多角的な美を提供する空間として幅広い客層に親しまれている。現在、サロンワークを中心に、さまざまな分野で活動中。

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