TBMG - この人から学ぶ成功の秘訣! by タカラベルモント

HOME > TBMG > 飯島秀昭/SOHO 蒼鳳代表

 
飯島秀昭さん/SOHO 蒼鳳代表

ブラジル社会で戸惑いを感じながらも、生来の負けず嫌いで反撃に出る。そして、独立後に数々の師と出会い、無償の活動に奉仕する。ブラジルの人々が、『日本人イイジマ』の一挙手一投足に関心を持ち始め、大勢の人々が集まってきた。

ライター 前田正明 | カメラ 好川桃子 | 配信日 2007.9.6

新参者の日本人に対するブラジルスタッフの洗礼

ブラジルに渡り、サンパウロでの生活が始まりました。ブラジル行きを誘ってくれたかつての教え子のサロンでは2年間働き、3年目からはフランス系移民の方が経営している『ジャックス・ジャニーニ』というサロンで働きました。ここは、今でもサンパウロで一番大きなチェーン店。結局ここで1年間仕事をすることになるのですが、その1年が辛くもあり最高に楽しい経験でした。というより、毎日が戦争状態。慣れないポルトガル語が飛び交う中、年功序列のシステムが確立されていて、古株の美容師ばかりが担当。新参者の私にはお客さんが回ってこないんです。予約表の私の欄には、ウソの名前がいっぱい書かれるなど、トラブルがいっぱいありました。私にとって、毎日が死活問題です。そこで、消しゴムに『IJIMA』の文字を彫ったスタンプを作ってお店の名刺に押したり、カットが終わると派手なジェスチャーで「最高! 今までで一番きれいだ」とお客さんを褒めちぎったりしました。あるいは、「いつもありがとう、俺の気持ちだ」と言って、アシスタントにチップを渡してお客さんを回してもらうなど、私も負けずに応戦し、お客さんを獲得しました。

運命の32歳で独立しSOHO蒼鳳1号店をオープン

やがて6ヶ月も過ぎると、私は全店でナンバーワンになりました。1ヶ月で350人のお客様をカットした記録も作りました。ある日、四柱推命に詳しい女性客から、「あなたの人生は32歳で変わる。そして頑張れば、10年間は大きな財産が残る」と言われ、それが完全にインプットされました。当時、私は31歳。売上げも全体の60%を一人で稼いでいました。そこで、給料や待遇の交渉、さらには自分のアイデアを採用してほしいとオーナーに迫ったのですが、却下されました。ならば、独立をして自分のお店を持とうと決心したんです。あるホテルの下のテナントを借り、私の誕生日でもある9月15日に盛大なオープニングパーティーもして、SOHO蒼鳳の第1号店を開きました。その後、経営は順調でした。2年ごとに計画していた支店も思うように達成でき、アカデミーも開校しました。その時感じたのは、人間は目的意識をしっかり持てば、それは必ず成就するということです。ただし、潜在意識に浸透するまで強く持たなければいけません。

日本の心を反映した『掃除に学ぶ会』と『YOSAKOIソーラン』

ブラジルのサロンにおいて、日本的なよさ『相手を思う心』を浸透させようと思いました。スタッフ教育では、ラジオ体操を取り入れて共同体意識も芽生えさせました。また、『美容師をつくる前に人づくり』をテーマに教育しました。そして、イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんの影響で『ブラジル掃除に学ぶ会』を立ち上げ、鍵山さんたちの応援のもとサンパウロの公園のトイレを掃除しました。その活動は今でも毎月1回は続けており、手に掃除ダコができたほどです。 2005年には世界大会を開くまでになり、世界各国から約3000人が参加しました。これはすべてボランティアで、当然ブラジルの各マスコミが大勢取材に来ました。また、ソーラン節を現代風にアレンジしたダンサブルな『YOSAKOIソーラン』にも出会い、ブラジルでイベントも立ち上げました。2004年の第2回大会では21チームが参加し1万人以上の人々が会場に駆けつけました。考えてみれば、SOHO、掃除に学ぶ会、YOSAKOIソーランなどは自分がかつて学んだ日本的なよさを、ブラジルの大地で適合させようとしているのかもしれません。だから最終的に「EU SOU JAPONES」(僕は日本人だ)と、自信を持って言えます。そして、お金より大事なものを求めて日本人としての誇りを持ちながら、これからも進んでいきたいと思います。

埼玉県出身。埼玉県理容美容専門学校卒業。1970年に美容師免許取得と同時に上京。都内のサロン数店舗を経て、原宿の今井英夫氏のサロンに入店。以後、サロンワークに従事する一方で、セミナーの講師として新カット技術の普及に努め人気を得る。いわゆる、『カリスマ美容師』の草分け的な存在。1979年にブラジル移住。1982年には美容室SOHO1号店をオープンし、ブラジル第2位の美容室チェーンに育て上げ現在に至る。近年は、『掃除』や『YOSAKOIソーラン・ブラジル』のイベント等により、ブラジルの人々に『日本人の心』を伝える活動を展開。稲盛和夫氏の経営に学ぶ『盛和塾』会員。『ブラジル掃除に学ぶ会』発起人会員。著書に『ぼくのブラジル武者修行』がある。

「あなたの感想」をお聞かせ下さい。

※上のボタンのいずれかを押すと感想を送信できます。


TOPページへ戻る