インスタで紹介するのは自分で買った物だけ
メイクの情報はどうやって得ていますか?
雑誌を見ることが多いですね。いいと思ったら、すぐ買いに行きます。メイクを始めて4年ほどですが、始めた翌年(2016年)には、自分の本を出したいという夢を叶え(『#クボメイク』/講談社刊)、メイクのライブに出させていただく機会も増えました。コスメをいただくことも多いので、自然と情報が入ってくることもあります。使ってみていいなと思ったアイテムは、インスタで紹介することも多いのですが、オススメするのは自分で買った物だけです。広告のご提案をいただくこともあるのですが、すべてお断りさせていただいています。SNSにおいては信用がとても大事ですから、ウソをつくことなく、自分の言葉でリアルに伝えられる物しか載せないことにしています。
自分の世界観を伝えられるインスタを毎日更新
美容師として圧倒的なフォロワー数ですが、インスタの活用法を教えてください。
美容師なので、スタイルだけを載せるという活用法もあると思いますが、僕はもう少し人間味があるといいますか、ふざけた感じの投稿があってもいいのかなと思っています。全部飲み会の写真だったら失客してしまう可能性もありますが、食事や家に置いている雑貨、最近買った物、嬉しかったことや日々感じることなども含めて載せておくと、その人の世界観が伝わる気がするんです。技術も大事ですが、僕は人柄や好みなど人となりが分かる方が好きなので、パーソナルなことも踏まえて投稿しています。もちろん、髪型だけに特化することも大事なブランディングだと思いますが、いずれにしても、止まらないことがもっとも大事です。一週間更新していなかったら不信感につながり、一カ月更新していなかったらアウトだと僕は思っています。今はインスタを必ず見られる時代。名刺代わりのツールです。何でもいいから1日1回は更新することがSIXのルール。僕もそれを守っています。
サロンワークだけでなく、様々なビジネスを考えたい
今後の目標を教えてください。
サロンワークに軸足を置き、それをベースに色々な分野に挑戦してみたいです。僕は美容師はサロンワークだけをやる職業ではなくなっていくと思っています。自分のセンスを生かして本業とは異なるビジネスを考える――。これからは日本全体がそうなっていくのではないでしょうか。イベントを企画したり、ヘアメイクの仕事をしたり、副業的な感覚で色々な収入源があってもいいと思うんです。サロンワークを週3勤務にし、あと2日は外部活動に当てるなどして時間を有意義に使い、時間価値を上げていきたんです。全部のサロンがそうなるとは思わないですが、こういうことに柔軟に対応できるサロンもあると思いますし、僕と同じような考えを持っている経営者もいると思うんです。1日1日を大切にし、時間を有効活用できる環境づくりをしていきたいと思っています。
考えてから動くのではなく、動きながら考えることが大事
若い美容師さんへのメッセージをお願いします。
考えつくことは実現できることだと思います。大切なのはそれを本気でやろうとするかどうかです。頭で考えてから動くのではなく、とりあえずやってみることが大切です。考えてばかりいるうちに、考えていること自体が古くなっていきます。動いてから考える、動きながら考えるのがいちばんいいと思います。頭で考えているうちは結果は出ません。失敗も成功のもとなので、フットワークを軽く、まずは動いてみることが大事です。あとは自分のことだけを考えるのは20代前半までにし、そのあとは技術を継承し、思いをつないでいく努力が必要です。自分がなりたい夢と目標をしっかり持ち、楽しみながらそれに向かって突き進んでほしいと思います。

久保雄司(クボユウジ)
SIX代表。
都内3店舗を経て2017年、表参道にSIXをオープン。サロンワークの他、雑誌や広告、TVなどでヘアメイクとしても活動し、全国で美容師や一般の方へのイベントも行う。2016年に『#クボメイク』(講談社刊)を出版。多方面で活躍中。

SIX
都会の喧騒を忘れさせてくれるような閑静な街並みの中に融合しつつ、ひと際ハイセンスな空間が目を引く。一人一人の魅力を引き出すスタイルや、サロンで過ごす特別な時間を提供し、お客様にとっての“一番”を追求。今もっとも注目されているサロンのひとつ。