KEIさん/OOO(オーオ) | ||
自然を求めて代官山にサロンをオープン。コンセプトは太陽。そして、人と人とのコミュニケーション。スタッフのモチベーションを高めるためにサロンのシステムを構築し、風通しのいい環境を作り出すことに専念した。そんな、経営者として大切なことを再確認し、さらに美容師として次のステージに進みたいと願う。
ライター 前田正明 | カメラ 更科智子 | 配信日 2009.11.5
お客さまに太陽のように輝いていただきたい
自然を感じる代官山で出店を決めて、最初にOOO(オーオ)をオープン。そして、5年後に支店としてYY(シカシカ)をオープンしました。いずれも、来店客やスタッフを大事にした温かいサロンづくりを目指しています。OOOは太陽を意味し、お客さまには永遠の美をモチーフにする場所に来ていただき、太陽のように輝いていただきたいという願いを表現しました。さらに、『輪』というコンセプトも含んでいます。そして、YYは鹿の角のような形で、逆にすると『人人』になるんです。これは、人と人のつながりを大切にしたいという、私たちのポリシーを表現しています。シカシカをオープンしたのは、お客さまが徐々に増えてきたことと、若いスタッフがデビューしたことで新しいステージを設けるためにオープンしました。独立当初は集客に苦労しましたが、以前お世話になった出版社が取材や撮影で来てくださり、その紹介記事で徐々にお客さまが来店されるようになりました。
スタッフにとって風通しのよい環境を作る
サロンの運営に関しては、まず私がヘブンス時代に経験したディレクターとしてのさまざまなノウハウを管理職のスタッフたちに伝授しています。それを元に、彼らがレッスンマニュアルなどを組み立てて若手のスタッフ教育や技術指導を行っています。私は、マネージメントをしっかり行い、サロンの経営面を主に担当しています。当然、ディレクターミーティングやスタイリストミーティングを定期的に行い、1つのスタイルをどのようにしてレッスンに落とし込むかなども話し合っています。つまり、スタッフ同士のコミュニケーションを密に図りながら、常に風通しのよい環境作りを心がけているんです。さらに一人ひとりが考えてその意思を文章にしたり発言することが大切だと考えているので、教育面ではそんな自主性を重んじた指導も行っています。これらは、私が今まで経験して大事なことだと感じた部分を実践しているんです。
「途中からおもしろくなってきた」という母の言葉
今後は、今まで通りコミュニケーションをよく図りながら、自然の成り行きで店舗をさらに増やすことも考えています。場合によっては、本店と支店を統合してさらに拡張移転もあるかもしれません。私自身は、日ごとに新しい発見があるのでそれをスタイルづくり、サロンづくりに活かしていきたいですね。私の母の言葉ですが、「美容師を50年やってきて、最初はよう分からんかったけど、途中からおもしろくなってきたんや」と言ったんです。私はすでに最初から楽しさを実感していますが、この言葉が頭に残っているんですよね。これが、美容を続けていく上で大切なことではないかと思います。最後に、この業界にいる若い人には、「好きなもの」をどんどん増やしていってほしいと思います。まず好きなスタイルを見つけること。そして、自分が勤めているサロンを好きになること。そして、好きなお客さまや好きなスタッフを増やすこと。この「好き」になることと、それを増やすことが美容師には大切で、そのために自分はどうあるべきかを考えて頑張ってほしいですね。どれだけ好きになれるかで、自分の言動も自然と変わってきますよ。好きなものがなければ、美容師としていいスタイルは作れないですから。
OOO(オーオ)代表、ディレクター。香川県出身。山野美容専門学校(通信科)卒業。大学在学中に上京しPHASE(フェイズ)に入社。約1年2ヶ月勤務後、 HEAVENS(ヘブンス)に入社。在籍中に約5年間ディレクターを務める。2004年に独立し、同年4月にOOOをオープン。2009年4月には YY(シカシカ)をオープン。来店客とスタッフを大事にし、温かみのあるサロン展開をモットーにする。現在、サロンワークを中心に、ヘアメイク等もプロデュース。
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