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高橋 和義さん/ZACC

音楽関係者のコンサートでヘアメイクの仕事を得るようになるも、コンサートは週末が多い為、サロンワークを休むことに罪悪感を抱く。当初の夢であったヘアメイクへの道は捨てきれず、苦渋の末に独立を決意。それは、今まで支えてくれた顧客の大切さを痛感した結果、仕事を両立するための出店だった。

ライター 前田正明 | カメラ 好川桃子 | 配信日 2008.12.4

お客さまを取るかヘアメイクの仕事を優先するか葛藤

通常の美容室の場合、忙しい土曜日や日曜日に休みを取ってヘアメイクの仕事に行くことは歓迎されませんよね。だから、夏休みなどの長期休暇をすべて返上して外の仕事にあてていたんですが、それでも限界を感じ、独立を決意しました。というより、サロンワークとヘアメイクの仕事を両立させるには、独立する以外に選択肢がなかったんです。当然、独立はスムーズに行かなかったので、お客さまを取るか自分がやりたいヘアメイクの仕事を優先するのかという葛藤はありました。わずか5年半で独立できるのも、お客さまが支えてくださったからです。その信頼関係は、美容師にとって最も大切なこと。独立を考え始めたことがきっかけで、美容師としての使命感や価値観の大きさに気づき始め、お客さまを大切にしたいという気持ちが強くなってきたんです。そういう意味で、美容師と当初の夢だったヘアメイクの仕事を兼ねるために、独立以外に道はありませんでした。

美容師を反対していた父のひと言で独立を決断する

独立するにあたって、一番苦労したのはやはり資金面と物件探しでした。実は、最初から美容師になることに、父親は反対していました。それは、男がやる仕事ではないという理由からです。しかし、数年後に定年退職を控えていた父が、『保証人として力になれるのは今しかないから』と、独立を応援してくれることになったんです。本気でこの仕事を続けていくなら、自分の城を持った方がいいと。その言葉がきっかけで、出店をしようと決意しました。当時、私は27才くらいで、保証人がついても3000万円くらいしか借りることができなかったんです。でも、当時の自分にとって3000万円は莫大なお金でした。この3000万円で失敗したら、生きてはいられないとまで思っていましたから(笑)。物件探しは、芸能関係のヘアメイクの仕事を考えて、渋谷や恵比寿界隈にターゲットを絞っていました。青山や原宿界隈は高価なので、とても手が出なかったですから。でも、半年くらい探してもいい物件が見つからず、ある人のアドバイスで占い師にでも観てもらったらと言われたんです。

自分と同じ不安感を与えないため新人は一から指導

その人の紹介で、よく当たると評判の占い師に観てもらった結果、私よりも運気のいい父に交渉してもらった方がスムーズに決まると言われたんです。そして、その日の帰りに荻窪駅前にテナント募集のビルを偶然見つけて、翌日父に電話をしてもらったところ予算内で話がまとまりました。そこが、ZACCの1号店でした。ただ、オープンしてから軌道に乗せるまで、業界誌の誌上コンテストに応募したり、カットコンテストにも参加し自分を試せることには我武者羅に頑張っていました。その後、オリジナルの技術やパーマのテクニック、トリートメントなどで知名度が上がってきました。美容師としてきちんと技術を指導してもらったわけでもなく、ヘアメイクも独学でした。独立当初はそんな不安があったので、スタッフ教育には力を入れようと考えていました。その当時、最初に勤めていたサロンで新人として一から教えていたスタッフが1人だけ付いて来てくれて、最初は彼を含めて5人でスタートしました。

株式会社ZACC、C.E.O。東京都出身。山野美容専門学校卒業。都内で1店舗を経て独立、ZACCをオープン。現在、青山3店舗、原宿、代官山、銀座にそれぞれ個性を生かした6店舗を展開。各コンセプトのもと幅広いゲストに対応し、サロンワークでは多くのゲストを迎える中でタレントや著名人も多数来店。サロンワーク以外にも、CM・写真集等のヘアメイクを担当し、セミナーやショーも日本を含めパリ・中国・台湾などで行うなど海外にも活躍の場を広げている。また、業界誌にカット・カラー・パーマ・美容コラム等の連載を担当。オリジナル商品の開発やZACCのメイク本も発売中。

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