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小松利幸さん/anti代表

独立そのものに対する考え方…。キャリアや技術的に熟達したからという理由で出店するのは危険ではないかと考える。もっと豊かな美容界にするために、美容師個々の志を持って、決して自らのハードルは下げない。そんなポリシーのもと、小松さんは次のステップアップとして、独立を決意する。しかし、スタッフに支えられながらのスタートは、決して順風満帆とはいかなかった…。

ライター 前田正明 | カメラ 更科智子 | 配信日 2006.12.7

美容師は自らのハードルを下げないで志を強く持つことが大切

私が独立したのは、美容師になって12年目でした。ただし一般論として、技術ができるから独立だなという考え方は、私の中ではやっとスタートラインに立てたという感覚なんですね。だから、その段階で独立するのは危険だと思います。もっと豊かな美容業界にするためには、もっと円熟してから独立する方がいいと思います。それは、スタイリストになるまでの期間をもっと長くするという意味ではないんです。例えば、カットコンテストに出場して入賞した人が、来年も再来年も出場を続ければ、すごくレベルアップする訳ですよ。それが、入賞すれば来年は後輩を出すというのが多いですよね。そうではなく、ハードルを下げないで志を強く持つことが大切で、そこで何をすべきかを見つけることが独立につながると思います。私は、その志を持つことに対して卒業だなと感じたので独立を決心しました。

1ヶ月に30誌もの撮影オファーが自分の自信につながった

でも、独立をする時に引き止められるのは、その人が必要だからですよね。だから、退職する際には、いろんな問題が生まれないように配慮することが大切だと思います。私の場合は、まずスタッフを連れて行かないこと。当時、1ヶ月に30誌も担当していた雑誌の撮影を、1年間はやらない。そして、お客様にも連絡しないなどでした。独立して最初は、自分の可能性を過小評価していましたが、1ヶ月に30誌も撮影のオファーがあったことなどで、少なからずとも自信がわいてきましたね。それ以外にもいろんな要素があり、地方ではなく東京の一等地に出店しようと決意しました。その結果、自分の中での美容観がさらに深まっていきました。独立は自分の中では中間地点と考え、今後のレールを敷いていきました。そこにはいろんなリスクもありましたが、それらを回避していくための対策も考えましたね。

人を育てることの難しさ…逆にスタッフが私を支えてくれた

私はどちらかというと、チームプレーより個人プレーの方が得意なんです。でも、独立してそうも言ってられないので、スタッフを育てることに対しては自分の行動やポリシーを貫くことに責任感を持ち続けました。下の人間を教育するというのは、今まで自分の得意なジャンルではなかったんですね。だから、自分で葛藤する部分がたくさんありました。それでも、スタッフは私を支えてくれて、私も彼らを信頼するという関係が保てました。例えば、雑誌の撮影でモデルハントをする時も、閉店後や休日にするなど、スタッフには大きな負担をかけていました。そんなある日、ある雑誌の撮影前に、スタッフのほとんどが風邪を引いちゃったんです。私は大丈夫だったんですが、スタッフに無理はさせられないからモデルハントもできない。仕方なく、雑誌の担当者にお断りの連絡をしたんです。そしたら、すごく怒られましてね…。

都内で3店舗を展開。サロンワークの他、ヘアショー、講習会、TV、広告、一般誌、業界誌の撮影、ヘアケア商品の開発などで活動。美容に関わるすべての流行を生み出すメッセンジャーとして幅広く活動する。また、Sカール、円すいクッションなどを生み出し、独自のantiスタイルを提案している。最近は自ら広告を手がけ、写真家としての才能も発揮。anti art worldを広げている。

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