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泥谷 誠さん/Danoi Square

■全国理容技術競技大会優勝者(大阪)/3


コンテストでは常に上位に入賞し、全理連のナショナルチームにも参加。常に結果を出すために、高い位置でモチベーションを維持してきた。客観的に自分を見つめ直す冷静さと、欠点を修正する緻密さを擁する。跡を継いだ父とは、深い部分でつながりを持つ。それが、親子のコミュニケーション術だという。

ライター 前田正明 | カメラ 好川桃子 | 配信日 2008.3.20

美容室に流れている男性客を取り戻したい

父(泥谷良一氏)の仕事ぶりを子供の頃から見ていて、本当に仕事が好きなんだなと思っていました。学生時代に家業を継ぐことを考え出してからは、いつかは全国大会優勝経験のある父を越えたいと思っていました(笑)。父は親であり、師匠であり、そして私の目標でしたね。専門学校時代の友だちとは今でも交流があり、経営のことやコンテストのことなどいろんな情報交換をしています。 現在は、私がメインでこのサロンを展開し、父は支店で営業を行っています。このダノイスクエアのコンセプトは、ファミリーサロンでありながら、美容室に流れている男性客を取り戻そうと、若いメンズ客に提案できるサロンとして展開しています。ボリュームゾーンは、私と同じ世代の30代をターゲットに考えています。やはり、サロンのウリはカットですね。若い人たちのニーズに応えられるようなデザインを提供し、さらにパーマやカラーも提案しています。でも、立地環境が住宅地でサロンの雰囲気が美容室感覚なのか、最近は女性客も増えてきました。

大阪に戻って馴染むまで約1年のリハビリ

このサロンを任されたのは、東京での修行を終えて以来で10年以上は経ちますね。東京では石丸先生のサロンで5年間お世話になりました。大阪に戻ってきて思ったのは、東京のお客様は、フォルムやディテールなど、デザイン面を気にする方が多いということでした。ところが大阪に帰ってくると、スッキリとまとめやすくしてほしいなど機能的で快適性を求められる傾向が強かったです。 東京で骨を埋める気持ちはなかったので、いずれは大阪に戻って活躍しようと考えていました。だから、実家に戻るのは自分で決断しました。でも、大阪ではサロン経営が軌道に乗るまで、約2年はかかりましたね。まず環境に慣れるまで、自分のリハビリとして1年、そして感覚のずれを取り戻しながら集客を図るまでさらに時間がかかりました。最初は言葉使いも、ヘンな大阪弁でしたからね(笑)

最後の戦いで日の丸を背負うプレッシャーが…

コンテストにはかなり前から、ずっと継続して出場していました。2001年から03年までの全国大会第1部ですべて2位で、04年に優勝。翌年からはナショナルチームに入って、東ヨーロッパカップ(モスクワ)で銅メダル、06年のジャーマンカップ(ドイツ)とモスクワ世界大会でそれぞれ銀メダルを獲得できました。全国大会では3年連続で2位だったので、優勝できた時は感慨深かったです。でも、自分を見つめ直して欠点を把握していましたから、優勝した時は戦いに臨む前から不安要因はゼロでした。当初から、『勝ちグセ』をつけるように指導されていましたから、自分でも高い位置でモチベーションを維持することができました。ナショナルチームに入ってからは、最後の戦いで日の丸を背負うことのプレッシャーが押し寄せてきましたね。それまで意識していなかった緊張感を感じました。でも、最後の戦いを楽しむことができました。

悩みがあっても父とは深い部分で相談できる

競技に臨む時は、楽しめるようになればいいと思いまね。緊張するということは不安があるということですから、緊張しないように充分に練習して臨むことが大切です。競技生活は07年から引退して、今はサロンワークを中心に後進の指導にあたっています。技術は理容師としての核ですから、コンテストを経験していると精密な部分が見えてきますね。また、サロンワークで問題や悩み事があっても、競技志向で考えると意外に答えが素早く見つかることが多いんです。ですから、コンテストとサロンワークは常につながりがあると思っています。それと、父と同じ道を歩んできましたから、悩み事があっても深い部分で相談ができます。そんなところが、同業者としてのメリットですね。私も跡継ぎとして理容師をしていますが、世代の違いで父と考え方が異なり、ぶつかり合うこともあります。しかし、そこはお互いがギブ&テイクで譲り合いの気持ちを持っていれば、親子として上手くやっていけるんじゃないでしょうか。

大阪府出身。大阪中央理容美容専門学校卒業。卒業後、東京のサロン『ヘアメイクアベニュー』(全理連/石丸博幸氏経営)に入社。5年間勤務後、実家の『コワフールサロン センス』に勤務。2008年に全面改装し、経営を引き継ぎ、『Danoi Square』と改名。第56回全国理容技術競技大会第1部優勝、2006年モスクワ世界大会銀メダルなど国内外の競技大会で常に上位入賞を果たす。現在、サロンワークを中心に、競技活動指導や技術講習活動も行っている。

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