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坂巻哲也さん/apish代表

業界ではタブーである、スタッフを帯同しての退職。しかし、会社側から理解を得て、退職直前まで勤務する。さらに出店までの1ヶ月間、メンバーたちとローラー作戦で物件探しに励む。そして、やっと見つけた工事中のビルの前で、元気に働く自分たちの姿をイメージしながら夢をふくらませた。オープン後には、出版社のミスから思わぬアクシデントにあう。しかし、落ちた時こそがチャンスとばかりに、さらなるパワーが生まれると坂巻さんは言う。独立後に学んだ、サロン経営を軌道に乗せるための条件とは…。

ライター 前田正明 | カメラ 更科智子 | 配信日 2006.11.9

出店の第一条件はお金ではなく、いいスタッフといい教育ができること

最初は小さな店だけど頑張ってみようと、仲間と話しました。そして、社長には事情を説明して、『6名を連れて辞めますが、許してください』と何度も真剣にお願いしました。通常なら、スタッフを連れて辞めるのはこの業界でタブーですが、今まで17年間頑張ってくれたので認めようと言ってくれました。メンバーは準備のため出店の1ヶ月前に退職。私は1週間前まで勤めました。それは、恩返しが残っていたから。ただ1ヶ月間は彼らに給料を払えないので、アルバイトをしてくれと頼みました。それも、携帯電話の販売とか(笑)。お店を作るためにお金は大事ですが、まずは人だと私は思います。いいスタッフがいて、いい教育ができること。そういう面では、第一条件がクリアできていたので恵まれていました。実は出店の際も、みんなで自転車に乗って、いい物件を探したんです。原宿、青山、恵比寿、代官山を毎日かけずり回って…。不動産屋に行っても相手にされなかったですから(笑)。

工事中の物件を前にして『多くのお客様と働く自分たちの姿が想像できるか』

そしてある日の夜、工事中のビルでしたが、いい物件をやっと探してその看板の不動産屋に電話しました。今、前にいるから来てほしいと。それまでの間、『ここにたくさんのお客様が来られて、元気に働いている俺たちの姿が想像できるか』って話したんです。『俺は見えるよ』って言うと、『私たちも見えます』って答えたんです。じゃあ、ここにしようって決めました。約24坪でセット面が8台、シャンプー台が3台でapishがスタートしました。今から7年前のことです。ただ、オープンして1ヶ月は良かったんですが、2ヶ月目からお客様が来なくなったんです。それで、作品を作って雑誌に載せてもらおうとしたんですが、ほとんど対応してくれず、やっと1社だけパーマ作品を載せてくれました。それが大ヒットして、予約の電話が鳴り続けました。ところが、予約はあるんですが、実際にお客様が来ないんです。

お客様の想像以上、期待以上のサービスを提供することが大事

実は、お得意様から料金が高くなっていると指摘され、雑誌を見ると誤った料金表示がされていたんです。次号でお詫び文が載りましたが、もっと頑張ってここにいることをPRしなければいけないと思い、今度はTV局12社に手紙を出しました。それが『シザーズリーグ』の出演につながり、ありがたいことに9割のお客様が戻ってくれました。その後、来ていただいた方を裏切らない、想像以上の技術を提供しなければいけないと思い、オリジナルのスタイルを考えました。今ではメディアに出てもそんなにお客様が来る時代ではないです。ただ、サロンを発展させるためには、お客様が笑顔で帰られることが第一。第二はその方がまた来店されること。第三は、その方が大事な人を連れて来られること。そのために、モチベーションを高めながら努力しています。私の人生、落ちた時がチャンス。そんな、次につながるパワーを発揮しながらこれからも頑張っていきます。

1998年10月にapish設立。2001年9月に移転拡張オープン。2004年9月に『癒し』をテーマにリラクゼーションルームを開設し、リニューアルオープン。現在、サロンワークを中心に、ヘアショー、TV出演、撮影、講習会など幅広い活動を展開中。また、多数の商品開発やオリジナルカットなどの技術も考案している。

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