TBMG - この人から学ぶ成功の秘訣! by タカラベルモント

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自分のビジョンを確立するのに、1〜2年かかりました

オーナーとなり、どのような壁にぶつかりましたか?

独立していちばん不安になったことは、上がいないということです。僕がダメだったら下はみんなダメになるわけです。つまり僕がどう成長するかが大事だと考え、とにかく本を読みましたね。独立前後は経営本も読みましたが、歴史小説から海外の名作まで、今まで読んだことがなかった名作を片っ端から読み、それがとてもいい刺激になりました。僕自身はこういう店にしたいというビジョンが明確にあったのですが、スタッフ全員にそれを浸透させ、理想の店としての方向性を整えるのに1〜2年はかかった気がします。どういう理由であれ店を出す以上は揺るぎない信念がなければいけない。東京に出てきて店をやるからにはそう簡単には帰れない。そのくらいのつもりでやらないと、と思っていました。渋谷は力のあるサロンも多いので、そういう中でしのぎを削るのは大変だろうなと思い、背負ったものが大きいなと感じていました。最初の1年目はそれまでの余力でやっていた感じですが、徐々に自分固めとスタッフ固めができてきて、オープンから5年目で2店舗目を出しました。借金もしましたが当時はのんきになんとかなると思っていました。今考えると背中が寒くなるような数字ばかりでしたね。紆余曲折といいますか、自分でもよくやってきたなと思います。


雑誌に1/6ページで掲載されたら、500人が来店!

集客や宣伝はどのようにされてこられましたか?

一貫して今も変わっていませんが、集客はあまりしていません。独立した当時は、一般誌に出るのが最大の集客というところでしょうか。最初のうちは食べていくくらいはお客様がいたのでなんとかやっていけたのですが、さらにフロアを満杯にしてスタッフを雇用して、本当に自分がやっていきたいサロンを作っていくために、まず業界誌2誌に働きかけました。すると驚くほど大きく載せていただけたんです。うれしくてテンションが上がり、一般誌にも作品を持って回りました。ところが半分くらいは門前払いで。でも、若者向けの女性ファッション誌のいちばん後ろのページに1/6ページくらいで掲載していただいたら、それを見て1カ月で500人来たんですよ!世の中って捨てもんじゃないなと思いました。編集部の人に聞いたら、前のほうのページで大きく出ているサロンでもそんなの聞いたことがないと。それ以来、毎月のように300人くらい来てくれて。うれしかったですね。それから撮影依頼をたくさんいただけるようになりました。毎週、毎朝、撮影していましたね。雑誌に出ることは、僕の中では集客というよりお店のブランディング=店を知ってもらうという感覚でした。自分たちの世代にとってメディアといえば雑誌、紙媒体は最高でした。雑誌によっては中ページの作品から表紙を決めるということがあり、僕は結構表紙に選んでもらったんですよ。“表紙マスター”です。当時は有頂天でした(笑)。あと、うちは20年以上前からホームページを持っているんです。早いでしょ!美容師がカメラを持つ時代じゃない頃からカメラを持ち、自分たちで作品を撮って載せたりしていました。作品撮影を重ねることでモデルの良いところを引き出す方法を学んだのだと思います。色々な機種のカメラを使いましたが、それらは今でも大事にしています。


ナチュラルでもやりすぎでもない、それがリアリティブ

一般誌と業界誌では発信する作品は違いますか?

美容師の中には業界誌はクリエイティブヘア、一般誌はコマーシャルヘア、と分けている人もいましたが、僕はデザインで食べていくという考え方をしていたので、両方を区別していませんでした。それがのちにリアリティブという言葉になるわけです。そのスタンスが僕の特長となり、周りから認められて色々な仕事をいただけたのだと思います。今でもクリエイティブスタンスとサロンワークスタンスの違いについて整理がついていない人は多いのではないでしょうか。僕はどちらかというとサロンの仕事がいちばん大事で、クリエイティブをサロンワークのフラストレーションを爆発させる場にするのは良くないと思っています。単なるナチュラルでもないし、やりすぎてもいけないし。絶妙なヘアデザイン。それがリアリティブにつながります。独立した頃、すでにそういう考えでした。リアリティブという言葉になるずいぶん前のことです。自分だけではそういう整理の仕方はできなかったと思いますが、ジャーナルの方や美容師の方などから注目され、それに応えていくうちに、だんだん考えがまとまってきたのだと思います。


その人にしかないことを見つけて生かすのが、本当の似合わせ

ヘアデザインを作る上で大切にしていることは何ですか?

月並みですが“似合っていること”は絶対です。似合っているというのはどういうことかというと、人を見る目があるかどうかだと思っています。普通に似合っているという感覚は、たとえばトレンドが入っているとか、バランスよくできているとか、そういうことを見がちだと思うんですが、“本当に似合う”というのは、その人にしかないことを見つけることだと思うんです。ネガティブに感じている髪質の問題とか、年齢的な問題などは、逆にその人しか持ってないものだから、それを生かせばいいわけです。それを踏まえてヘアを作れば、その人に絶対似合うものになるんです。髪は僕とその人で作るもの。だから美容師はその人の良さや美しい部分だけではなくて、コンプレックスな部分も含めて探してあげることが大事なのではないかと思います。そういうことを僕らは永遠に追求していかななければいけません。どうやって人の個性を見つけるか、これに尽きます。あとはセンスを磨くことです。好奇心を持って色々なことを経験し、常にアンテナを張り巡らせておくことが大事です。

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小松 敦(コマツアツシ)
HEAVENS代表。山形県出身。1993年に「HEAVENS」をオープン。現在、表参道に2店舗を展開。また、2017年1月に「MuNi」を東京・代々木上原にオープン。アグレッシブなヘアデザインで注目を浴び、1999年JHAロンドン審査員最優秀賞、2000年JHA大賞部門準グランプリ受賞。2018年1月、「似合う髪 美しい髪 新しい髪〜ビヨウシニオクルコトバ〜」(株式会社女性モード社刊)を出版。サロンワークを中心に一般誌や業界誌、ヘアショー、セミナーなど多方面で活躍中。

◇IMAGE CHANGE PROJECTというコンセプトのもと、本当に似合うヘアデザインを追求。小松氏が確立した「ツーセクションカット」を軸に魅力的なヘアを生み出し続けている。お客様1人ひとりに向き合いながら、ライフスタイルに合わせたヘアデザインを発信。


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