TBMG - この人から学ぶ成功の秘訣! by タカラベルモント

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言葉の壁を乗り越え、将来性にかける

海外展開の難しさは何でしたか?

いちばんは言葉の壁です。そう簡単には覚えられませんから。それを除けば、さほど難しいことはないんですよ。たとえば免許。アジアは全部、免許制度がないんです。営業許可は必要ですが、あとは実力次第で展開できます。今、ベトナムで理容学校もやり始めたのですが、これも今後、拡大する可能性があります。それは本当にありがたいことです。我々は人材を求めて行っているわけですから。自分たちでベトナム人を教育して、いずれその人たちが日本に来たいとなった時、私たちの店を選んでくれたらうれしいですよね。今、私たちはグループを作っていて、私の弟子と孫弟子を合わせて450人くらいいるのですが、そのグループ全体で毎年新入社員を80人くらいは必要としています。今から手当しておかないと大変なことになるかもしれません。ベトナムのお店は各店とも日本人スタッフの割合は2割くらいで、あとはベトナム人です。アシスタントは全員ベトナム人。ベトナム人の女性は器用で働き者です。彼女たちは、みんな日本語がわかります。英語は3歳から、日本語は小学校3年生から習っていますから、ベトナム人は日本語ができる人が大勢います。ベトナムには、高い将来性と可能性を感じています。


技術と人間性の教育、この2つが大事

スタッフ教育はどのようにやっていますか?

理容の仕事は「人」そのものが商品です。1人の人間が製品であり、営業マンでもあります。
スタッフ教育は、大きく2種類に分けて考える必要があります。1つは技術。技術はお客様に直接、料金という形で結び付くものです。もうひとつは人間性です。リピートするかしないかはいちばんの問題で、1回きりだと宣伝費のほうが高くついてしまいます。1回来て「いいお店を見つけた、いい技術者を見つけた」となったら、続けて来てくれます。そうなるためには、人柄=人間性や人格を磨く必要があります。これは口で言うのは容易ですが、単なるしつけ教育とは違い、心からそう思い、感じるようにならないといけません。私は従業員から嫌われながらも(笑)、人間性を高める教育を担当しています。毎月最低2回は色々な話をしていますが、硬い話を最後まで聞いてもらうのは難しいですね。気がつくと皆、睡魔と戦っています。みんなが居眠りするのを我慢しながら、あの手この手と考えながら毎回1時間半は話をしています。私のような立場になるとどうしても勉強せざるを得なくなります。子どもの頃には読まなかった本を、今になって一生懸命読んだりして。勉強すると目から鱗が落ちるという発見があるでしょう?自分自身の喜びでもありますが、それを人に伝える価値も感じられるので、毎月2回、ずっと続けています。自分で早く店を持って経営者になる人は、わずかな一言をビビッと感じて行動します。こういう人は黙っていても成長する人です。


50周年を迎え、女性客が2割を占めるように

7月が満50周年でした。長く愛される秘訣は何だと思いますか?

簡単なことです。前回よりもいい仕事をする。それに尽きます。毎回どこか必ず工夫をするよう心がけています。特に日本の場合は気候によって微妙に髪質が変化しますから、冬と夏で同じ切り方をしていたらダメです。お客様が自分にしかわからないような微妙な変化を感じ取り、手入れのしやすい、カッコよくて持ちのいいヘアを作るということが大切です。満足を超える感動を目指さなければいけません。私たちは常に同じことをやっている職人のように見えるけれど、実は毎回が創作。その意識があると仕事が楽しいし、「あなたでないとダメね」というお客様が通い続けてくれます。誠実さをモットーとし、謙虚に一生懸命、労力の出し惜しみをせず「お客様が喜んでくださることが私たちの喜び」ということが、もっとも大切なことだと考えています。私は今でも毎日サロンに立ち、休みは日曜日だけです。50年以上通ってくださっているお客様もいます。100%手仕事だからこそ、私にしかできない仕事があると思っています。
最近は女性のシェービングのお客様が増えてきました。一度シェービングをしてその良さがわかると、定期的に来てくれます。本店の1カ月のお客様数は全体で1400人くらいですが、そのうちの350人くらいが女性です。どこの店舗でも約2割は女性が占めるようになりました。


理髪店は最上の癒しの空間。技術を超えた愛情が大事

今後の理美容界への希望や若い方へのメッセージをお願いします。

現在の日本の免許制度ですと、海外で人材を育てて日本に来てもらおうとしても、なかなかすぐには日本のお店で働くことができません。また、理容と美容の免許が分かれていることも、問題を難しくしています。ヨーロッパではずいぶん前に免許を一本化していますし、アメリカの場合はカットやカラーなどの種目別に免許があります。アジアの若者が日本で働けるようになったらうれしいなと思います。
また、日常の中で癒される場所が絶対に必要だと思うのですが、極めて少ないのが現状です。旅行に行くとかスパなどもありますが、実用を兼ねて男性が毎月のように行ける所というと、理髪店がいちばんなのではないでしょうか。理髪店を癒される場所ととらえるか、髪を切るだけの場所ととらえるかは、お客様の自由です。10分で1000円でやってほしいという方もいるので、それはそれでいいと思うのですが、3000円、5000円、場合によっては1万円までならいいよという方で、かつ、癒されるということの価値を見出している方は、うちのお店に継続して来てくれます。うちのグループの中で、平均単価が1万円という店は珍しくありません。人が人の手とハートによって癒される、という価値です。お客様を思いやる優しさとか親切心とか、愛しく思う気持ちみたいなものが大切なのだと思います。若い理容師さんたちには、技術を超えた愛情を大切にできるような理容師になってほしいと願っています。今、従業員にいちばん言っているのは、「自分の人生は自分が心に思った通りになる」という、ジョセフ・マーフィーのゴールデンルールです。自分で否定したらそこで終わり。やっぱり私には無理だ、と思わなければ絶対に実現します。思わないことは実現できない。“思いもしなかった素晴らしいこと”が起きるということはないのです。自分の意思を強く思うことが大切です。

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松永巳喜男(マツナガ ミキオ)
銀座マツナガ代表取締役社長。1941年、新潟県出身。大阪・心斎橋の谷稔氏に師事。27歳の時に東京銀座中央通りに独立開業。現在、中央区周辺に8カ所、ドイツ2カ所、ベトナム3カ所に店舗を展開中。これまで姉妹店として11店舗を従業員に渡す。「ありがとう千客万来」(ヒューマンウェア研究所)を2003年に出版。

◇「温故知新」たるおもてなしの精神によるサービス、当たり前の感動を提供することをモットーに、創業50年を迎える理容室。中でも「GINZA MATSUNAGA DE CLASSE」は全室個室の最高級店で、著名人を含め多くの顧客から高い支持を集めている。


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