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中野訓延さん/Apa Kabar

教師の家系で育ち、一時は教職を目指したものの、それよりももっと、当時興味を持っていたヘア&ファッションの分野で事業を起こしたいとの希望を抱き、夢を叶えるために直訴する。ところが、父親からの勘当。しかしそれを、自分で稼げばいいんだとポジティブに捉え、美容師になることを認めてもらったと解釈。翌日には家を飛び出し、美容師としての一歩を踏み出す。

ライター 前田正明 | カメラ 好川桃子 | 配信日 2009.5.7

教師を目指すもヘアに興味を持ち始めた学生時代

実は、私の父は高校の体育の教師で、祖父が大阪外国語大学の英語の教授をしていました。その影響で、私も高校時代までは教師を目指していたんです。高校では進学クラスに入学し、勉強とスポーツに励んでいました。ところが、高校2年生の頃、ファッションやヘアに興味を持ち始めたんです。それと同時に、将来的に教師になることの意味を考えるようになりましてね。事業をおこしたいという夢が芽生えてきて自分でできることは何だろうと考えました。その時、美容師なら技術を磨いて努力すれば、小さいながらも自分のお店を持つことができるんじゃないかって思い始めたのが、美容師になろうと思ったきっかけです。そこで、父親に相談したところ猛反対されましてね(笑)。美容師になるための学費は出せないと。そこでやむを得ず、一度は大阪外大に入学して英語の教師を目指しました。

居候の身。寮を完備したサロンに入社したかった

ところが、入学して1〜2ヶ月で大学がいやになり、それ以降は授業も出ずにアルバイトをして過ごしました。その結果、1年生で修得したのが1単位だけ(笑)。出席した授業が体育実技。後期は体育理論でした(笑)。本当に大学に行く気になれず、父親に再度言ったんです。『もう、大学に行くのは無理。だから、自分の夢である美容師になりたい』と。すると、父は激怒しましてね。『お前なんかに喰わせる飯はない!出て行け!』って。そこで私は内心、嬉しくなったんですよ。家を出て、自分で稼いで食べていけばいいんだと。つまり、美容師になることを認めてくれたんだと考えたんです。そして、次の日には家を出ていました。荷物をまとめて2〜3万円のお金を持って…。その後、京都の友人宅に居候になり美容室を探しました。当時は大手のチェーン展開をしているサロンに、『スタッフを募集していませんか?』と飛び込みで行ったりしました。当然、ほとんどが門前払い。美容学校も出ていないし、住所不定だし(笑)。だから、自分としては寮を備えているサロンに入社したかったんです。そんな私を拾ってくれたのが、美容室しまだの島田社長だったんです。

美容師になれたことが嬉しくて夜も眠れなかった

そもそも、私がヘアやファッションに関心を持つきっかけを与えてくれたのは母親でした。母はオシャレな人だったので、私の興味を察知して、高校の時初めて美容室に連れて行ってくれました。そこが、美容室かぐや姫というサロンで、店長さんがすごくカッコよかったのが印象的でした。さらに、人気になり始めた初期のアメリカ村で洋服も買ってくれました。そんな母親の影響が強かったと思います。実は、家を出てからも、母にはその後の状況を連絡していたんです。すると、心配だったのか、お客さんとして毎月のようにサロンに来てくれましたね。美容室しまだに入社してからは、通信課程で学びながら仕事をしていました。ただし、私には貯金がなかったので会社に学費を立て替えていただいたんです。そのため、毎月の給料から2万5千円ずつ返済していました。そこまでしていただいて、美容室しまだには本当に感謝しています。今でも覚えていますが、入社して寮に入った時は眠れませんでしたね。それは、美容師になれたことが嬉しくて嬉しくて。仕事といえば、掃除や雑用ばかり。それでも、毎日サロンに行くのが楽しみでした。だから、美容師を辞めようなんて一度も思ったことがなかったです。

Apa Kabar代表取締役。奈良県出身。ベルェベル美容専門学校卒業。通信課程で学びながら株式会社美容室しまだ(現エステージ)で勤務し、10年後に独立。 1998年にApa Kabarをオープン。2002年にApa Kabar DUA(支店)をオープン。2005年にApa Kabarを移転拡張。 2009年6月にApa Kabar北野田店をオープン予定。内外装やインテリアにこだわりをみせた店舗をプロデュースし、スタッフ教育に力を入れモチベーションの高さを発揮。パリコレクション2008秋冬でヘアメイクとして参加。また、CAT世界大会入賞や海外のサロンで見聞を広める。現在、サロンワークを中心に、経営や企画面にも精力的な展開を行っている。

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